賢いコンパクトな家づくり
ウッドショックからはじまった木材、建築資材等の価格高騰により、
コロナ以前と現在の価格を比較すると、
同じ大きさで家を建てようとした場合
数百万円値上がりしてしまったため、
予算を大幅に上げることなく家づくりを行うためには
家のサイズを小さくせざるを得ません。
とはいっても、家のサイズをコンパクトにすることは、
やり方を間違えてしまうと使いにくくなると同時に、
やがて老後を迎えた時、大きな出費を招く恐れがあるので、
間取りづくりを間違えないようにしなければいけません。
例えば、間取りを深く考えずに家を建てようとする場合、
1階と2階の大きさが同じ「総二階建て」
にするのが一番手っ取り早いのですが、
建売住宅やハウスメーカーの企画住宅などに多いこの建て方は、
お子様が小さい家庭にとって最も使い勝手が悪く、
家が散らかりやすくなります。
この建て方にする場合、
寝室と子供部屋が、2階につくられることになる上、
リビングダイニングの広さによっては
1階に部屋をつくることはもちろん、
いつも使うものや衣類をしまっておく収納も
つくることが出来なくなってきます。
ではここで考えてみて下さい。
お子様たちがいつも遊ぶ場所は一体どこでしょうか?
お母さんやお父さんの姿が見えない
2階にある自分の部屋ではなく親の姿が見えるリビングで遊びますよね。
その場合、リビングに広げたおもちゃや本などを、
遊び終わったら2階にある自分の部屋まで持って行くでしょうか。
間違いなくできないですよね。
また、パジャマやいつも着る服、仕事着なども毎日2階の自分の部屋まで
片付けるでしょうか。
これも暮らし始めると徐々にやらなくなっていくことでしょう。
なぜなら、どうせ毎日着るのですから、
リビングのソファーやダイニングの椅子にでも
引っ掛けておく方が絶対に使い勝手いいですもんね。
以上のような理由から、小さな総二階建ての家は、
リビングやダイニングが散らかりやすくなるというわけです。
それどころか散らかった状態が
当たり前になってしまうのです。
洗濯の動線にしても
上下を行ったり来たりしないといけない複雑な流れになるため、
これを原因とする片付けのやりにくさから
家が散らかりやすくなってしまいますよね。
また、1階に部屋も収納もないこのような住まいは、
足腰が丈夫な若いうちは使い勝手が悪いぐらいで済むものの、
歳をとり足腰が弱ってしまったとしたら
とっても暮らしにくい家になってしまいます。
そして、その問題を解決するために
1階に部屋と収納を増築せざるを得なくなり、
再び数百万円という出費を余儀なくなれてしまうケースも少なくありません。
大切な老後資金から捻出するか、
あるいはその資金が貯まっていない場合は、
リフォームローンを組むことによってです。
まだ住宅ローン返済が終わっていない状態の可能性もありますよね。
そんなわけで、家を小さくする場合は、
こういった問題にも配慮しながら
あらかじめ間取りを考えることが重要になってきます。
■コストと使いやすさの両立
では、コストを抑えるために
家の面積をカットしながら使いやすく無駄な出費が防げる
家を建てるためには一体どのようにすればいいのか?
優先して考えるべきは、敷地に対して
まず「平屋」から間取りを考えるということです。
平屋にすれば階段も省けるため
より面積を抑えることが出来ますし、
全ての部屋と収納が1階に集約されれば、
多少、部屋や収納が小さくなっても問題ありません。
ただし、平屋にすれば家自体の面積は小さく出来るものの、
土地の面積はそれなりに必要になってしまいます。
かなり家をコンパクトに出来るのであれば
50坪あればいけますが、
出来れば60坪弱は欲しいところです。
ですので、家のコストも抑えつつ
土地や外構にかける費用も抑えるとなれば、
「平屋」という選択肢ではなく、
使いやすさと経済性を両立した
2階建てにするのも良いと思います。
そこで大切なことは、1階に子供部屋か寝室と
いつも使うものや衣類をしまう収納を設けるという事です。
そうすることによって、
お子様たちが小さいうちもリビングが散らかりにくくなるし、
老後に増築をする必要もありませんしね。
もし2階に部屋を持っていった場合、
その分土地面積を小さく出来るので、
土地代も削減出来ますよね。
というわけで、
これから土地を買って家を建てようとお考えの方は、
こんな考え方もあるということを
ぜひ覚えておいていただけたらと思います。