変化すべき常識という考え方
私たちが置かれている生活環境において、今まで常識だったものから
時代の変化と共に、自然と変化をしているものが多くあります。
一つ例を挙げると、『貯金』です。
今では信じられませんが、
1955年〜1973年あたりの高度経済成長期と呼ばれる時代には、
預金金利が5%や6%という高金利の時がありました。
仮に100万円を一年間貯金していた場合、
一年間で5万円以上利息がつくというという時代でした。
しかし今はゼロ金利時代ですので、
金利も0.001%や0.002%になっており、
同じく100万円を貯金していても10円や20円しか利息がつきません。
貯金をしていても、
資産が増える時代はもう終わってしまっているという事です。
そんな中で、今はつみたて投資をしながら税制優遇を受けられる
つみたてNISAやiDeCoが普及してきていますよね。
世の中の常識が、
貯金から積み立て投資へと変わってきているという事ですね。
では続いて、家づくりの常識について考えてみましょう。
■2階建てという常識
家づくりに関してさかのぼって考えてみると、
住宅ローンが一般的に利用できるようになった1950年代から、
1990年代のバブル崩壊までの間、国の政策の後押しもあり
着工棟数は急速に増えていきました。
そして、この時に普及していった住宅が
公団住宅であり、ハウスメーカーの商品住宅です。
コストと工期の圧縮を可能にした大量生産型の家が普及した時代ですね。
その中でも多かったのがよく見る総二階建ての戸建て住宅です。
こちらもコストと工期を抑えられる1つの家づくりの形になります。
家族間でのプライバシーを考慮した、
1階はリビングがある団らんスペース、
2階が寝室などのプライバシーなスペースというのも、
人気が出たその時代の新しい考え方だったのではないでしょうか。
ですが、今もなお多く建てられている高度成長期以降に急速に普及した商品住宅は
現在の私たちにとっても暮らしやすいものでしょうか?
■昔よりも長期的な視点で考える
昔と今を比較するとさまざまな事が変化してきています。
そういった観点から、
時代に合わせて家のカタチも見直すべきではないでしょうか。
例えば、家は2階建てが一般的な常識ですが、
長寿化しつつある現在、
そこに50〜60年住む可能性が高いことから
ホントは平屋にすべきではないでしょうか。
子供たちはやがて家を出ていく事が多いですし、
歳をとれば足腰も弱ってきて2階に上るのが大変になる可能性が高く、
そうなれば2階につくった部屋は使わない無駄な部屋になってしまうからです。
また、子育て期間中のことを考えても
子供部屋が1階にあった方が確実に使い勝手が良いと思いませんか?
1階に子供部屋があれば、
わざわざ2階まで荷物を持ち運びしなくていいので、
自分の部屋に荷物を片付けてもらいやすくもなります。
また掃除や家事動線の面で考えても、
2階建てよりも平屋の方が圧倒的にスムーズに行う事ができるでしょう。
という事で、
これまでの時代に沿ったままの常識に従うのではなく、
これからの時代に合わせた考え方のもと
家づくりに取り組んでいただきたいと考えています。
そんな家づくりが出来れば、
本当に暮らしやすく、
普段の生活にちょっとした不満を感じない
充実した日々を送ることが出来ると思いますので。