「家は3回建てないと理想の家にならない!?」
「家は3回建てないと理想の家にならない!」
家づくりを検討されている方の多くは、
一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか?
しかし、現実的には人生で3回家を建てることなんて、
なかなかできませんよね。
大多数の方は、人生に1度の家づくり。
今回は、そんな家づくりのヒントになればというお話をしたいと思います。
家づくりには、
皆様それぞれ重要視していくポイントが異なりますよね。
例えば、
希望のエリア、土地の広さ、間取り、設備、家の性能、庭スペースなど・・・。
特に現在は、
ネットやSNSなどでもいろんな情報が出ておりますので、
見れば見るほど叶えたい事も増えていく事でしょう。
これは決して悪い事ではないですが、
どのケースでも陥りやすい事があります。
それは過剰なスペックにしてしまうという事です。
例えば、間取りに関して欲求が先行していけば、
確実に部屋数は多くなります。
尚且つ、必要以上に広くもしてしまうでしょう。
設備に関しても、
あったら便利だよねという機能をどんどんプラスしてしまい、
余裕を持った仕様にしてしまいがちです。
これらは、
最終的にすべてコストに反映されます。
しかし、家づくりの時はどこか舞い上がった気分になり、
家族の夢が叶えられるのならばと、
コストアップを受けいれてしまいがちです。
多くの方は、住宅ローンを組んで家を購入しますので、
どんなに高額になっても、分割返済に換算すれば、
グレードアップ仕様は月々わずかな金額に感じてしまいますからね。
しかし、本来そこで大切なのは、
いくら借りられるかではなく、
いくら返せるかを基準に検討することです。
返済していく30年、35年の間には、
保険や固定資産税、家のメンテナンス費用、お子様の教育費、
急な病気や事故による費用、車の買い替えなども
しっかり考えておかなければならない項目がたくさんあります。
予期せぬ出費も出てくるので、
本来は余裕を残しておかなくてはなりません。
コストアップさせて、
家族が最も多い時期に合わせて設けた部屋数は、
やがて空室だらけになってしまいませんか?
過剰なスペックにした設備は、やがて使わなくなり
メンテナンス費用だけかかっていく心配はありませんか?
家づくりする際は、今の考えや欲求を優先するのではなく、
将来のこともできるだけ想像して検討してみて下さい。
先程もお伝えしましたが、
家づくりの際は、気持ちが大きくなりがちだし、
同時に金銭感覚も麻痺しやすくなります。
また、その増えた金額を
簡単に住宅ローンでまかなえてしまうがゆえに、
どうしても予算が膨らみがちになります。
返済も分割換算すると、
それほど問題ないような感覚に陥ってしまいます。
ですが、覚えておいていただきたいことは、
仕事や自分の体調は35年間保証されていないのに、
ローンの返済だけは35年間確定してしまうということです。
今の収入がずっと維持されること、
あるいは、段階的に増えていくことを前提として
資金計画を立てられる方が多くいらっしゃいますが、
今の社会を見渡した時、
それは果たして保証されているのでしょうか?
今は、少子高齢化の影響を受けて、
税や社会保障の負担が徐々に増えていっています。
つまり、天引きされるお金が
増えていっているというわけです。
給料が横ばいであれば、
あなたの手取り金額はどんどん減っていくし、
多少、支給される給料が増えたとしても、
手取り金額は、さほど増えないのが現実です。
そして、それに加えて、
今のうちから老後資金までも
コツコツと蓄えていかなければいけないのが、
私たち全員が抱える共通の問題です。
ですので、家づくりをする時は、
予算という“現実”と、欲求という“夢”のバランスを、
上手く取りつつ計画を立てていただければと思います。
そして、そのためには、
家づくりの正しい知識を身につけ、
コストを押し上げる要素だけじゃなく、
コストを抑えられる要素も
しっかりとご理解いただければと思います。
そうすることにより、建てた後もローンに悩まされる事無く、
豊かな暮らしができ、家族に余裕のある理想的な生活に近づいていく事でしょう。