開放感を出すために天井を高くする必要はない?
『出来るだけ天井を高くして、開放感のある家にしたい!』
こういったお考えの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、ただ単純に天井を高くすれば、
それだけで開放感がアップするかというと、
決してそうではありません。
では、その理由について
お伝えしていきたいと思います。
理由1:天井・ドア・窓の高さが揃ってないから
たとえ天井を高くしても、
室内のドアや外に出られる大きな窓が、
天井の高さと揃っていなければ、
それほど空間に広がりが感じられません。
窓と天井の間や、ドアと天井の間に
垂れ壁と呼ばれる中途半端な壁が出来てしまうからです。
それゆえ、天井を高くするのではなく、
下の写真のように、ドアや窓を高くし、
天井の高さと揃えることをオススメしています。
その方が、より開放感を得ることが出来ます。
こうすることで、余分な線や凹凸がなくなり、
室内がスッキリ見えるようになります。
また、天井まで光が拡散するため、
空間全体がムラなく明るくなります。
理由2:カーテンが常に閉まっているから
一般的な間取りや窓の考え方でつくられた家は、
いつもカーテンを閉めてしまいがちではないでしょうか?
これは、前回までのお話でもありましたが、
直射日光が厳しかったり、
外から中を覗かれたくないがゆえに、
日中もカーテンを閉めきってしまうというケースが
多いからです。
それだけで開放感が損なわれます。
外の景色は見えないし、
光もほとんど入ってこないですからね。
朝からずっと照明をつけておかないといけなくもなってしまいます。
ですので、
いかにカーテンをしなくていいように出来るか?
ということを意識しながら設計する必要があります。
こちらの住まいのように、
リビングダイニングの窓に、
一切カーテンをつけなくていいとしたら、
外からたくさんの光が入ってきます。
そして、その光がリビングダイニング全体に広がります。
また、カーテンがない窓から、
外の景色や空を眺めることが出来るので、
より空間に広がりを感じることが出来ます。
結果、開放的な空間が出来上がるというわけですね。
開放感を出すために、無駄にコストをかける必要はない!
このように設計をしていけば、
無駄に天井を高くしなくても、
明るく開放的なリビングダイニングをつくることが出来ます。
天井を高くするのにも余分なコストがかかります。
家づくりの恐ろしいところは、
このコストがだんだん高いと感じなくなってしまうことです。
10万、20万が大きな金額と感じなくなり、
知らない間にどんどん積み重ねていってしまいます。
ですが、10万円稼ぐのは大変ですよね?
こういった負担の積み重ねが、
あなたの後々の暮らしを苦しくしていく
という事実を決して忘れないでください。
そして、かけなくていいコストは出来るだけ省きながら
家づくりをしていただければと思います。